働く方から、配偶者の両親についてBanSowへ相談がありました。両親の生活が心配になっている一方で、兄弟がなかなか集まれず、今後どう支えるかを話し合えていない状況でした。
早期相談をきっかけに、兄弟で話し合い、今後の方針に合意しました。両親への働きかけは、これから進めていく段階です。
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母親への心配と、介護を拒む父親
相談の入口は、働く方が配偶者の両親について抱いた心配でした。母親には日常生活を支える手助けが必要になっていました。一方、父親も介護が必要と思われる状態でしたが、介護を受けることを拒んでいました。
両親を今後どう支えていくのか。子どもである兄弟が集まって話し合う必要はありましたが、なかなかその機会を持てずにいました。
そうした中で、母親には気持ちの落ち込みも見られるようになりました。両親のことが心配でも、どこから手をつければよいのか分からない。対応を決める前の段階で、BanSowの立山へ相談が寄せられました。
最初に必要だったのは、兄弟で思いを共有すること
立山が助言したのは、両親の今後について、兄弟で早めに話し合うことでした。親への働きかけを進める前に、まず子ども同士が、何を心配し、これからどうしたいと考えているのかを確認する必要があると考えたからです。
誰が介護を担うのか。どのような役割を引き受けるのか。こうした問題は、兄弟の間で認識がそろっていないと、負担の偏りや関係の悪化につながりかねません。
最初から誰かに役割を割り当てたり、結論だけを急いだりするのではなく、互いの思いを共有すること。両親への心配を、それぞれが別々に抱えている状態から、話し合える状態にすることを重視しました。
両親だけでなく、支える側の暮らしも考える
話し合いを急ぐよう伝えた理由は、兄弟関係への心配だけではありません。母親が精神的に弱っている一方で、父親は介護を受けることを拒んでいました。このままでは、両親ともに生活を維持しづらくなるのではないかと、立山は懸念していました。
両親を支えるには、子どもたちだけでなく、その配偶者など周囲の理解と協力も関わります。誰か一人が抱え込む前に、それぞれの暮らしも含めて話し合っておく必要がありました。
また、立山が早期の情報共有を大切にしているのは、離れて暮らす子どもが、状況を十分に把握しないまま、自分の生活や仕事を急に変えてしまうことを心配しているためです。心配する気持ちだけで大きな判断をする前に、現状と互いの考えを確かめる。そのための話し合いでもありました。
相談をきっかけに、話し合いと方針の合意へ
相談後、兄弟は実際に集まることができました。両親を今後どう支えるかについて話し合い、対応の方向性がまとまりました。
父親に病院を受診し、必要な介護サービスを利用してもらいたい。その考えを、兄弟に共通する方針として両親へ伝えていくことになりました。
当初は、両親を心配しながらも、兄弟で今後のことを話し合えていませんでした。今回の相談によって進んだのは、互いの考えを共有する場を持ち、次の働きかけについて方針をそろえられたことです。
次は、ケアマネジャーの訪問に同席する
次の段階では、ケアマネジャーが両親の自宅を訪ねる機会に、兄弟が複数人で同席する予定です。そこで、受診やサービス利用についての考えを、兄弟の共通した方針として両親へ伝えます。
その内容を踏まえ、ケアマネジャーからも父親に受診や介護サービスの利用を働きかけてもらう予定です。家族の考えを専門職にも共有したうえで、両親との話を進めていこうとしています。
この事例でご紹介しているのは、兄弟で方針をそろえ、次の計画を立てた段階までです。訪問への同席や、受診・サービス利用に向けた父親への働きかけは、これから進めていく予定です。
大きな決断の前に相談できること
この実例は、退職が決まってからの相談ではありません。仕事への具体的な支障や退職の申し出があったという事例でもなく、親への対応を家族で考え始めた段階の相談です。
その段階でも、専門家に状況を伝えることで、先に共有しておくべきことや、次に誰と話すべきかを整理することができました。両親を支える方針を持てたことが、今回の具体的な進展です。
家族関係を守りながら親を支えること、支える人自身の仕事や暮らしも大切にすること。そのための早期相談として、今後の受診やサービス利用への働きかけにつなげていく段階にあります。
