第4部 ステージ別ガイド

ステージ別ガイド

介護は、いつ、どの段階から始まるか分かりません。ここでは4つのステージごとに、そのとき大切にしたいことと、次の一歩をまとめました。

1

気づいたとき

杖をつく高齢の本人に寄り添い、変化に気づく家族のイラスト

「あれ、いつもと違う」——多くの場合、介護は本⼈よりも先に、家族のこうした違和感から始まります。

このステージで大切なこと

  • 変化を「年のせい」と決めつけず、記録に残しておく(→「介護の困りごとを記録する、たった3つのポイント」)
  • 複数の視点(医療‧⽣活‧本⼈の気持ち)から様⼦を⾒る
  • 「まだ相談するほどでは」とためらわず、早めに地域包括支援センターに相談し、つながりを持っておく(→「地域包括支援センターの役割」)

このステージで参照したい記事

物忘れ/歩行の不安定さ/トイレ・排泄/食事・嚥下/一人暮らしの不安(第1部)

このステージのゴール

「相談していいのか分からない」状態から抜け出し、頼れる窓⼝とのつながりを⼀つ持つこと。

2

在宅で⽀えるとき

ケアプランを家族と専門職が一緒に確認している様子のイラスト

要介護認定を受け、サービスを利⽤しながら在宅⽣活を送る、最も⻑く続くステージです。

このステージで大切なこと

  • ケアプランは「与えられるもの」ではなく「⼀緒に作り、育てていくもの」と捉える(→「ケアプランとは何か」)
  • 「本⼈がどう暮らしたいか」を、家族の中で⾔葉にしておく
  • 家族だけで抱え込まず、サービスを積極的に活⽤する
  • 制度の基本(誰が使えるか、費⽤はどのくらいか)を押さえておく

変化が起きたとき

在宅⽣活の途中で⼊院が必要になることもあります。その場合は「⼊院をしたら」「地域連携室」「退院前カンファレンス」の⼀連の流れが道しるべになります。

このステージのゴール

本⼈‧家族‧ケアマネジャー‧サービス事業所が、それぞれの役割を持ちながら、無理のない体制を築くこと。「完璧な体制」ではなく、「続けられる体制」を⽬指すことが⻑続きのコツです。

3

施設を検討するとき

家族と専門職が資料を見ながら施設や制度について話し合う様子のイラスト

「そろそろ施設も考えたほうがいいのだろうか」——多くのご家族が、罪悪感を抱きながらこの問いに向き合います。

このステージで大切なこと

  • 施設を検討することは、「介護を諦めること」ではなく、「本⼈にとってより良い環境を選ぶこと」だと捉え直す
  • 介護は家族だけで完結させるものではないという前提に⽴ち返る
  • 本⼈の意向を、可能な限り確認する

相談先

ケアマネジャーは、施設に関する情報提供や相談にも対応しています。特養、⽼健、有料⽼⼈ホームなど、施設ごとに役割や費⽤が異なるため、専⾨職と⼀緒に整理することをおすすめします。

このステージのゴール

「在宅か施設か」を⽩黒つけることではなく、本⼈らしい暮らしが続けられる環境を、家族が納得しながら選べること。

4

看取り

本人が続けたい暮らしについて家族と話し、寄り添う様子のイラスト

介護の最終段階として、多くのご家族が向き合うことになるのが「看取り」です。

このステージで大切なこと

  • 「どこで、どのように最期を迎えたいか」について、できれば元気なうちから話し合っておく
  • 在宅での看取りを希望する場合、医療‧介護の体制(訪問診療、訪問看護など)を早めに整えておく
  • 家族⾃⾝の⼼の準備にも、時間が必要であることを理解しておく

⽀えてくれる存在

看取りの段階では、訪問診療医、訪問看護師など、医療との連携がより重要になります。

このステージで伝えたいこと

看取りは、悲しみだけの時間ではありません。それまでの介護の⽇々を振り返り、本⼈と過ごした時間の意味を、家族なりに受け止めていく時間でもあります。

本冊⼦は、居宅介護⽀援事業所での相談‧⽀援の経験をもとに作成しています。個別の状況については、お近くの地域包括⽀援センターまたは担当のケアマネジャーにご相談ください。